民泊運営希望者のためのAirbnb・Home Away活用ノウハウ

今流行りの民宿等のインバウンドに関する記事を記載していきます。

民泊ビジネスの正攻法(38)

前回の記事を踏まえて民泊ビジネスの正攻法を考えていきます。

民泊において最も重要なキーワードは

(1)需要と供給

(2)法律

(3)物件の質

(4)地域

になります。


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(1)需要と供給のバランスを考える


ここ数年の間、外国人旅行客の数は右肩上がりになっています。
その背景は様々ですが、まず多くの人が勘違いしている『東京オリンピック』について指摘したいと思います。
東京オリンピックが開催されるから旅行客が増えているわけでは決してありません。
オリンピック効果は、こと旅行客だけで考えれば、開催される期間含めて前後1か月に集約されます。
3年後にオリンピックが開催されるから旅行に来る、なんて人そうそういませんよね?

理由は大きく以下の通り


(Ⅰ)アジア諸国の経済力向上
⇒運営者は肌で感じていると思いますが、民泊利用客の多くはアジア人。
 中国人、韓国人を筆頭に高嶺の花であった日本は近年身近になりました。
 その大きな理由が日本との経済格差が縮まったことにより、日本に旅行に来れるアジア人が急増したことによります。
 この傾向は今後更に加速していくと予想できます。
 
(Ⅱ)日本政府挙げてのPR活動

⇒観光立国を目指している日本は先進国、途上国問わず各国へPR活動を行っています。
 「そうだ、京都へいこう」ではなく「そうだ、日本へいこう」という広告を私はフィリピン滞在中に少なくとも3回は目の当たりにしました。
 日本は宣伝にさえ成功すれば、外人にとっては非常に魅力的な国です。
 『治安』、『風景』、『食』、『アクセスの良さ』、『衛生面』等々、枚挙に暇がありません。
 よく以下のような質問をされます。

 「I heard Shinjuku area is a little dangerous. Is it true?」

 私はこう答えます。

 「It's true. Kabukicho area is a little dangerous but I think it's still better compared with your hometown. Japan is no doubtedly the safest country in the world.」

 如何に歌舞伎町であっても、盗難が多発する地域ではありません。
 店にさえ入らなければどんな場所でも危険ではありません。
 この事実を伝えると観光客は毎回驚きますね!


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(2)法律を考える

法律については前回徹底的に解説したので、その重要性は理解して頂けたかと思います。

民泊180日規制を本気で考える~合法的に365日運営する方法~(37) - 民泊運営希望者のためのAirbnb・Home Away活用ノウハウ


長期的に展開していく為には簡易宿所登録が可能な物件で展開していく事が無難です。
スペースマーケットとAirbnbの合わせ技で展開していく戦略が脚光を浴びていますが、そのスペースマーケットで物件登録をするのも簡易宿所登録が必須になります。

~簡易登録可能物件について~

登録するにあたっての最低条件を記載します。

(Ⅰ)設置場所

周囲約100m以内の区域に以下の施設があると登録できない可能性があります。

・学校(大学は含まれません)
・児童福祉施設
・公民館
・図書館
・博物館
・青少年育成施設

簡易宿所を設置するとその施設の清純な施設環境が著しく害されるおそれがある場合は許可されません。(旅館業法第3条第3項)
(注)この施設は各都道府県の条例によって異なります。

(Ⅱ)建物

・客室の延床面積は、33平方メートル以上(約18畳)
・2段ベッド等置く場合には、上段と下段の間隔はおおむね1メートル以上
・換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有すること
・泊まる人が入れる十分な大きさのお風呂
・十分な数の洗面台
・適当な数のトイレ(宿泊者5人につき1つ洗面設備をつける、5人に付き男性用1つ、女性用1つ計2つトイレをつける)

(Ⅲ)地域

下記以外の地域では、簡易宿所登録ができません。

・第一種住居地域
・第二種住居地域
・準住居地域
・近隣商業地域
・商業地域
・準工業地域


(Ⅳ)消防

「消防法令適合通知書」の取得が必要になります。
具体的には自動火災報知設備の取り付けが必要になります。


(3)物件の質を考える

 

物件の質は言うまでもなく大切です。

(Ⅰ)魅力的な物件に見せる

⇒集客に大事なのは「見せ方」です。
 どんなに家賃が高い物件でも、布団対応であったりダイニングテーブルが貧相であったりしたら見栄えは良くありません。
 旅行客の目に付くような物件を工夫して作り上げていくことが大切になります。

(Ⅱ)住みやすい物件にする

⇒最大のライバルはホテルです。
 清潔さではどう努力してもホテルには及びません。
 そうなると実際の「住み心地」で勝ちにいくしかありません。
 ここは単純で、実際に自分が物件に住んでみて心地いいかどうかです。
 何不自由なく生活できれば合格です。
 この部分はレビューにも影響してくるので非常に大切です。

(4)地域を考える


経営する地域が最も大切といっても過言ではありません。
新宿や渋谷はもはや飽和状態です。
需要も高いですが、物件の供給量はそれ以上です。
素人が今から経営を始めても相当リサーチに力を入れなければ太刀打ちできません。
そうなるとどこでやるのか、が焦点になってきます。
時間をかけてリサーチすれば簡単にわかりますが、現在ねらい目とされている地域は「空港の沿線沿い」と言えるでしょう。

~ブルーオーシャンを探してもいずれはレッドオーシャンになる~

現在、ドル箱のような地域を運よく見つけたとしてもいずれは競争が必ず激しくなります。
そうなるまでに自分自身のレベルを上げて、競争市場でも戦えるようになるしかありません。


総論


以上の点を踏まえて、民泊を長期的な目線でやっていくならば以下の要件を満たした物件が理想的です。


(一)簡易宿所登録が取れる物件
(二)駅から徒歩12分圏内
(三)旅行客の「宿泊」において需要のある地域
(四)住み心地の良い物件
(五)近隣に迷惑のかかりづらい環境

ご相談されたい事があれば、個別に問い合わせも承っていますのでご連絡下さい。


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